被災した人の多くが口にするのは「まさか自分が災害に遭うとは思わなかった」という言葉です。7月の豪雨災害に先立ち岡山県は広報で防災を呼び掛けていました。が、ほとんど役に立っていませんでした。備えは足りていなかったのです。
気象が激しくなり、大きな災害が続いています。そのため国や市町村は自分で災害に備えてほしいと呼び掛けていますが、市民の自覚と責任に訴えることにひっしで大切な事を忘れています。それは教育です。
大人はしらず教育を軽んじています。実際の災害がどんなものか・災害に関する言葉それらのほとんどを「おそらくこうだろう」とあいまいな理解に落とし込んでいないでしょうか。
正確に知ること・対策を考えること・備えるためには、想像ではなく現実に基づく知識を共有することが大切です。それが確実な防災への第一歩。子供たちにそれを教えることは地域と未来への責任です。
災害の結果と責任・負担すべてを背負わなくともよいのは行政のお蔭です。
しかし災害の、特に初期では行政に頼れないケースが多いのが現実です。行政の対応には時間がかかります。この構造はなかなか改善できません。また、災害はいつ来るか分かりません。7月の豪雨災害では治水工事が長期化していたことで被害が拡大したと言われています。市民に危機意識はありましたが要望は噛み合っていませんでした。間に行政の言葉があり、市民には本当の意味が理解できないからです。言い換えれば市民がより賢くなることで行政の質も上がります。
東北大震災では自身で判断して行動した人が多く助かっています。行政を全面的に頼るのは危険で、いくつもの場面で自分の判断が頼りになります。その判断の基礎になるのは正しい理解なのです。